2010/03/05 (Fri) 蚤の心臓について

　僕は店員さんにめっぽう弱いです。

　当然、喫茶店のかわいいウェイトレスさんがどうのこうのとかじゃないんですよ。

　店員さんにプレッシャーをかけられるとすぐダメになります。

　その模様は「激闘　オレVS渋谷の店員」に載ってます。

　見たことがない人は見たほうがいいかもしれないです。

　このブログに書いてあることはとくに断りがない限り実話ですが、

　これも例にもれず実話です。


　さて。

　渋谷での反省を生かして僕は、

　高等テクニック、

　「店員さんに見つからないようにして店内を捜索する」

　というスキルを身につけ

　これのおかげで服屋には入れるようになりました。

　勝負に勝って、それ以外のすべてに負けている心境ですが、

　ウォーリーのような外見をしているらしいので、

　隠れるのはお手の物です。



　それはそれでいいんですよ。

　僕の人生だから。

　泣いてなんていませんってば。


　また話が飛びますが、

　子供が友達に隠れて泣いてるときとかに

　本人は周りに自分が泣いてることをばれてないと思ってるのに

　変なおばさんとかがやってきて

　「○○君ッ！どうしたの！！どこか痛いの！！なんで泣いてるの！！」　

　とか大きな声で言うのはマジやめてほしいですよね。

　本人はうまく隠し通せてるつもりなんだから。

　ここはそっとしといてあげるのが子供の成長にはプラスですよ。


　と、まあ

　僕の過去のトラウマはこの辺にしといて、

　おばさんへの復讐も今度にしておいて、

　本題にはいります。


　服屋は特殊技能で（誤った方向に）克服したので、

　次は第二のホーム、本屋を征服しようと思いまして。

　というのも、

　支払いのときに他の客に後ろに立たれたり、

　店員さんが梱包を終えて僕が金を出すのを待ってたりすると、

　焦りに焦って財布の中身をぶちまけたりしちゃうんです。


　何度やっても支払いがうまくできません。

　第二のホームが居心地が悪いというのは

　名家に嫁いできた嫁が姑のプレッシャーにやられるのと同じですね。


　上手に支払いすべく

　今回僕がとった方法は「マニュアル化」という手段です。

　起こりうる事象をすべて想定し、あらかじめ行動を形式化したうえで

　シミュレートした通り動くだけで目的が達成されるという、

　策士御用達のアレです。


　さあ、シミュレートを始めよう。

　今回のミッションは「別の客に後ろに立たれても悠然と支払いを済ませる」という

　高難易度のトリックだ。

　これを達成するためには綿密な準備が必要だ。

　まず、財布の中に大量の500円玉をいれておく。

　500円玉は素晴らしい。

　基本500円玉を出しておけば多少お釣りがあってもいやな顔をする店員さんは少ないし、

　なんといっても他の硬貨と間違える心配がない。

　100円と50円、10円と5円を間違えて、

　440円の請求に対して335円くらい出して「レシートかも～ん」みたいにしちゃった時の

　店員さんの僕を憐れむような眼！

　一円と500円は僕を裏切らない。


　そして、買った本には必ずカバーを頼む。

　その間にお金を用意する。

　後ろの人を感じると緊張するから決して振りむかない。


　これらのことを注意して、イメージトレーニングを十分に行い、

　いざ、レジへ！！


店員「いらっしゃいませ、おまたせしました」

僕「（黙って文庫本を二冊出す）」

店員「カバーｈ……」

僕「全部にカバーしてください！（先手必勝）」

このあたりで後ろに人の気配を感じる。

僕「（振りむいちゃ駄目だ、目の前の店員の動きに集中しろ）」

店員「先にお会計のほう失礼します、1430円になります」

僕「（黙って500円玉を三枚出す）」

店員「1500円からお預かりします」

僕「（決まった、500円玉作戦！いやまて、お釣りをもらうまでは気持ちを切らすな！）」

店員「（硬貨を差し出しながら）70円のお返しになります」

僕「（ふるえる手で硬貨をわしづかみにしながら）ありがとうございます！」

硬貨をぶちまけないように慎重につかみ、

そして、勝利の確信を胸に颯爽とレジを去る。

戦場をはるか後方に見ながら心の中で僕は叫ぶ。

やった、僕は自分に勝ったんだ。

ありがとうマニュアル化ッ！人間に不可能なんてないんだよねッ！！

ヒャッハーッ！！



店員「お客様、お品物のほうをお忘れに」



買った本を置いてきてました。




おおきくなったら　くれじっとかーどが　ほしいです。